競艇の準優勝戦当確選手は手を抜くのか?


準優勝戦が行われる当日には、すでに準優勝戦に乗る選手は決まっている。

しかし、準優勝戦出場選手だとは言っても、準優勝戦が行われる日、ほとんどの選手が2回走りになる。

18人も準優勝戦に出場する選手がいるので、準優に出る選手なしではその日の番組が組めなくなるからだ。

前半は単なる一般戦で、後半は準優勝戦。

どちらのレースが選手にとって大切かは言うまでもないだろう。

もし前半レースでフライングしてしまうと、せっかく準優に出ることができるのに、賞典除外になってしまうし、転覆して調子の良いエンジンを壊してしまっては大きな痛手だ。

すると、選手は準優勝戦に備えて安全策を取るのではないか、という疑問が生まれる。

以上のような内容を、ひろなおとさんにご指摘いただいたので、今回は準優勝戦に出場する選手が、前半の一般戦で手を抜くかどうかを統計的に分析してみたいと思う。

 

 

スタートタイミング

準優勝戦を後半に控えた選手は、フライングを切りたくないはずだ。

せっかく優勝戦まで進むチャンスが目の前にあるのに、前半レースでフライングをしてしまうと、優勝戦に進むチャンスが消えてしまう。

前半レースで何着だろうと、準優勝戦進出はすでに確定している。

選手も人の子。

大事なレースの直前でスタートを踏み込む理由がないと考えられる。

とすると、前半レースのSTは控えめになるのではないだろうか?

 

方法

後半レースで準優勝戦に乗る選手の前半レース一般戦を分析の対象とする。

準優勝戦の件数は5885レース(述べ35310名の選手が出場)。

準優勝戦に乗る選手が2回走りで、実際に前半の一般戦に出場した延べ人数は30957名。つまり、9割がたの選手が、準優勝戦の日に前半レース一般戦を走っていることになる。

その中から、前半レースを30走以上した選手が478名いたので、その478名の選手の準優勝戦前半レースの平均STと、すべてのレースの平均STを比較した。

 

結果

結果は下記の通りとなった。

 

準優勝戦前半レースST平均:0.160

全レースST平均:0.161

 

 

あれ、全然違わない。むしろ、微妙に早い。

ただし、平均値だけだと、準優前の一般戦では若干遅めのスタートを切る選手と、張り切って早めのスタートを切る選手が混在していた場合、値として現れない可能性もある。

全レースの平均値と、準優前の一般戦のSTの差をヒストグラムで確認してみよう。

 

junyu_zenhan_st

縦軸は頻度、横軸は「全レースST平均ー準優前半レースST平均」。

つまり、横軸がマイナスの値になっていれば、準優前半レースでいつもより早いスタートを切っていることを意味し、プラスの値になっていればいつもより遅いスタートを切っていることを意味する。

このヒストグラムを見てみると、いつもと変わらない選手が最も多いことがわかる。

気持ち遅めのスタートを切る選手が若干多くて、逆に準優勝戦を前に思い切りスタートを張り込む選手が一定数いるため、平均値としてはあまり変わらないことがわかるだろう。

思ったよりセーブする選手は多くない。

逆に、準優勝戦に向けて気合を入れている選手が結構いるようだ。

 

着順の差

 

では、平均ST以外に着順はどうだろうか?

準優勝戦前半レースの着と、全レースの着の平均値を算出した。

 

準優勝戦前半レース着順平均:2.41位

全レース着順平均:2.90位

 

こちらの結果は明らかに準優勝戦前半レースの方が着が良い。

一応、STと同じようにヒストグラムを確認しておこう。

 

junyu_zenhan_chaku

縦軸は頻度、横軸は「全レース平均着ー準優前半レース平均着」。

マイナスの値ほど準優勝戦の前半レースで着が良いことを意味する。

こちらは、素直に準優前の方が着順が良い傾向が見て取れる。

準優勝戦に出場するくらいなので、普段よりも調子が良く、それがそのまま着順のアップにつながっている感じだ。

普段よりも着順が低い選手はほとんどいない。

 

枠番別着順

ひろなおとさんの見たレースで、準優勝戦前の一般戦で、選手が外枠を割り振られると、普段よりもセーブして走るケースが見受けられたという。外枠で無理に着を狙いに行くと、転覆の可能性が高くなるからだろう。

十分考えられる話なので、枠番別に着順の平均を算出して比較してみよう。

 

junyu_wakubetu_chaku

枠番準優前レース平均着全レース平均着
11.912.24
22.733.18
32.773.36
42.783.52
53.113.96
63.334.22

 

このデータを見る限りでは、どの枠でも準優前のレースはその節の調子の良さをそのまま着順の良さに反映しているようだ。

むしろ、外枠でも不利をはねのけている感がある。

もちろん、露骨に手を抜く選手もいるのだろうが、一般的な傾向というわけではないようだ。

 

考察

選手は後半に準優勝戦を控えた一般戦で手を抜くか?

どうやら、好調のままに実力を発揮する傾向があるようだ。

正直、手を抜く結果が見られるかな、と思っていたのだが、決してそうではないようだ。

選手は勝てる時に勝っておきたいものらしい。

ただし、STのヒストグラムに見られたように、選手によっても個性があり、必ずしも全力を出す選手だけではないのだろう。

ひろなおとさん、コメントありがとうございました。

 

集計対象期間:2013年6月1日〜2016年6月30日

レース件数:160932レース ※不成立含む

 


競艇の準優勝戦当確選手は手を抜くのか?” への8件のコメント

  1. あらら、思っていた方向と異なっていました。
    全員が全員、手を抜いているのではなく、基本は好調な成績がそのまま反映されているという感じですね。
    今後は偏見を持たずに考えるようにします。

    • いつもネタの提供ありがとうございます。どうもそのようですね。何気にフライングしている選手もそこそこいたので、スタートを控えるのも一般的な傾向ではないようです。「手を抜かない」という結果もなかなか興味深い結果だと思います。また何かネタを思いつかれましたら、コメントいただければ幸いです。ありがとうございました。

      • 「競艇は雨には負けない」の記事を読み、影響を受けないことを確認させていただきましたが、選手の年齢は自国に影響を受けるのでしょうか?
        「ナイターになると高齢の選手は大時計が見にくくなる」という噂の真相が知りたいです。
        逆に、「早起きになる高齢の選手はモーニングレースではいつも以上の働きをする」なんていう風に年齢というファクターをレース時刻で考慮する必要があるのかないのか、特に今まで実感はないのですが、もし、ネタ切れにでもなりましたら、ご一考ください。

        • 「ナイターになると高齢の選手は大時計が見にくくなる」、は確かにありそうですね。ちょっと調べてみたら、夕方近眼などという症例もあるみたいですし。照明の光量によってはありうるかもしれませんね。
          「早起きになる高齢の選手はモーニングレースではいつも以上の働きをする」はちょっと眉唾かな(笑) ないとは言い切れませんけど。
          モーニングレースとナイターレースはサンプル数がちょっと心配です。ナイターは限られた場でしか行われていない上、照明がついている時間帯も4レースくらい? だと思うので、さらにそこから高齢選手をサンプリングできるかどうか、気になります。
          年齢というテーマはあまり深く掘り下げていないので(確かピークが何歳かだけだったような)、掘り下げてみるのも良いかもしれません。
          コメントありがとうございました。

    • 私の経験則だと、風が強い日は明らかにスタートが慎重になると感じています。
      風かある日限定で精査してみたら少し面白い結果がでるかもしれませんよ。

      • コメントありがとうございます。
        「風が強い日はスタートが慎重になる」は確かに経験則としてありますよね。
        こちらの記事
        で検証した際、3m以上の強さだと、STが段々と遅くなる傾向がみられました。
        やっぱり、風が強いとスタートは難しくなるものなのでしょうね。
        コメントありがとうございました!

  2. 何時も利用してる競艇場のタクシーの運転手に聞いたんですが、最終日に有名なA1選手を駅まで送った時に、もうグレード優勝選に乗れるのは今年が最期かも知れない、50歳位から動体視力が落ちるから時計が見えなくなる。と言う話を聞いたのですが、統計的には如何な結果がでるか興味が有るのです。
    宜しくお願いします。

    • コメントありがとうございます。
      悲しいかな、競艇選手も人間なので、加齢による衰えは避けられないものですね。
      確か年齢別に勝率を算出したことはあったのですが、STには触れていなかった気がします。
      歳を重ねるとやはりSTは落ちると思いますが、どれくらい落ちるものなのか、興味深いテーマなので、次回以降、記事のネタとして取り上げてみたいと思います。
      ネタの提供、ありがとうございました!

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