最近では競輪でもオール女子レースが開催されるようになったが、競艇ほどオール女子レースが一般的なわけではない。
競艇では過去3年間に行われたオール女子レースの数は16万レース中、およそ1万レースだった。つまり、全体の6%程度がオール女子レースということになる。
2016年6月現在、女子選手の数は213名いるとのこと。
オール女子レースは、オール男子レースと比べて、どんな傾向の違いがあるのだろうか?
今回はオール女子レースとオール男子レースの違いに関して、統計的に分析してみた。
集計方法
参加する選手がすべて女性のレースをオール女子レース、参加する選手がすべて男性のレースをオール男子レースとして集計を行った。
男性5名で女性1名のレースなど、男女混合レースも当然存在するが、今回は集計から除外した。サンプル数はオール女子レースが10736件、オール男子レースが124010件だった。
決まり手割合比較
まずは決まり手の割合から見てみよう。
オール女子 | オール男子 | |
---|---|---|
逃げ | 39.98 | 44.70 |
まくり | 23.37 | 16.25 |
差し | 15.43 | 15.31 |
まくり差 | 11.22 | 13.59 |
抜き | 9.04 | 9.36 |
恵まれ | 0.95 | 0.80 |
一番大きいのが、まくりの決まりやすさだ。オール男子ではまくりの割合が16%であるのに比べて、オール女子ではまくりの割合が23%。その差は7%だ。
逃げの割合はオール女子で40%弱、男子の45%と比べて5%程度、イン逃げが決まりにくくなっている。
まくり差しの割合は2%程度、オール女子の方が少ない。
オール女子レースでは逃げとまくり差しが減った分、まくりが決まっている格好だ。差しや抜き、恵まれに関しては、ほとんど男女で変わらない。
レースタイム関係の比較
次に、STや1着のレースタイム、展示タイムの平均値を比較してみよう。
平均ST | 平均展示タイム | 平均レースタイム | |
---|---|---|---|
オール女子 | 0.183 | 6.72 | 111.89 |
オール男子 | 0.173 | 6.73 | 111.59 |
※平均レースタイムの単位は秒
スタートが0.01ほど、オール女子レースの場合は遅くなっている。また、展示タイムは0.01ほど早くなっている。おそらく、体重差の分だろう。1着平均レースタイムは0.3秒ほど、オール女子の方が遅い。
スタートが遅い分、オール女子の方がまくりが決まりやすくなっているのかもしれない。
配当金
最後に、配当金の比較を見てみよう。
三連単 | 三連複 | 二連単 | 二連複 | |
---|---|---|---|---|
オール女子 | 7449.62 | 1210.56 | 1843.31 | 918 |
オール男子 | 7689.81 | 1293.04 | 1930.01 | 971.72 |
三連単人気 | 三連複人気 | 二連単人気 | 二連複人気 | |
オール女子 | 18.67 | 4.36 | 5.76 | 3.41 |
オール男子 | 19.72 | 4.66 | 5.98 | 3.55 |
人気の項目は、何番人気が来たかの平均だ。
全般的に、オール女子レースの方が、配当金が低くなっている。つまり、オール女子レースの方が、本命よりの決着が多いということだ。
オール女子の場合、イン逃げの割合が低く、まくりが決まりやすいので、穴よりになるかと思いきや、逆の傾向になっている。
万舟率は、女子が17.49%で、男子が18.87%だった。
やはり、オール女子レースの方が固い結果になった。
考察
オール女子レースを見ていると、選手間の技量の差が大きいように見える。
1600人中、200人しかいない女子選手(2016年6月現在)でオール女子開催を行うので、メンバーの層が薄くなる分もあるのかもしれない。
女子レースは枠番よりも選手の実力で買え、という意見をどこかで聞いた気がするが、確かにそうかもしれない。
集計対象期間:2013年2月1日〜2016年2月29日
レース件数:160534レース ※不成立含む