競艇のレースに波が与える影響を検討したが


以前、風がレースに及ぼす影響を検討したことがある。

しかし、考えてみると、波の影響を検討したことはなかったので、今回は波がレースに与える影響を検討してみたい。

波が高ければ乗りにくくなるのは間違いないだろう。果たして、波の高さはレース結果にどんな影響を与えるのだろうか?

過去3年間分のデータから、波がレース結果に与える影響を、統計的に分析してみよう。

 

 

波の分布

全国の競艇場の中には、海と繋がっている場とプール状になっている場が存在する。

その他にも、江戸川競艇場など本物の河川の上を航走しているし、多摩川競艇場は周囲を防風林に囲まれているため、日本一の静水面を名乗っている。

波が立ちやすい場と、立ちにくい場があるだろう。

というわけで、全場で波高平均を計算した。

結果は下表のとおりとなった。

 

波の高さ平均
桐生2.099
戸田0.814
江戸川6.968
平和島3.317
多摩川2.322
浜名湖2.046
蒲郡1.089
常滑1.737
1.963
三国2.391
びわこ2.628
住之江1.107
尼崎0.669
鳴門2.830
丸亀2.500
児島2.900
宮島2.554
徳山3.195
下関2.938
若松3.138
芦屋3.508
福岡3.089
唐津3.452
大村2.034

 

やはり、江戸川がダントツで波が高い。

他の場がせいぜい3cmくらいまでなので、倍以上の差が有る。

気になって生データを見てみたのだが、江戸川だけは波高の最低が5cm。そのあとは5cm刻みの集計を行っているようだ。

5cm、10cm、15cmといった感じで、相当大雑把に集計している。

なお、最大波高は40cm! さすがは日本で一番中止が多い競艇場だ(多分)。

多摩川は日本一の静水面を名乗る割に、波高でみるとそれほど静水面ではない。平均的な位置にいる。

むしろ、尼崎や戸田の方が波立たないという結果になった。

 

イン逃げ率

次に、イン逃げ成功率を検証してみよう。

波の高さ別に、イン逃げ成功率を計算してみた。なお、波の高さは11cm以上のサンプル数が少ないため、11cm以上は全て11cmとして集計した。

結果は下表のとおりとなった。

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波の高さイン逃げ率
048.216
151.222
246.932
347.218
444.373
544.623
641.548
741.877
839.251
936.759
1041.291
1138.146

 

波が高くなるに従って、イン逃げ率が下がっている。波が高くなると、インが逃げにくくなる傾向にあるようだ。

波の高さが1cmのときが最もイン逃げ率が高く、8cmくらいまで徐々に下がっている。8cmを超えると、傾向が不安定になるようだ。

波の高さによって、最大で15%もイン逃げ率が違うため、波の影響は無視できないだろう。

10cmで少しイン逃げ率が高くなっているが、江戸川の集計方法による影響である可能性もある。

 

風と波の関係

このグラフを見たとき、デジャブを感じた。

風速別にイン逃げ率の集計を行ったときの結果と、非常に似ている。

考えてみると、どうして、競艇場に波が立つのだろうか?

波が立つ以上、なんらかの力が加わっているはずだ。潮の影響ならばわかるが、すべての競艇場が海と直結しているわけではない。

とすると、風の影響が大きいのではないだろうか?

というわけで、波の高さと風の強さで相関をとってみた。

 

波の高さ平均風速平均相関係数
桐生2.0992.2120.801
戸田0.8141.6210.808
江戸川6.9683.9040.306
平和島3.3173.5400.554
多摩川2.3222.6190.732
浜名湖2.0463.5220.930
蒲郡1.0892.5650.899
常滑1.7372.6940.962
1.9632.9630.796
三国2.3913.0460.746
びわこ2.6282.6260.854
住之江1.1071.4590.715
尼崎0.6692.7940.715
鳴門2.8302.8030.974
丸亀2.5002.4890.979
児島2.9002.4320.782
宮島2.5542.2250.897
徳山3.1952.8330.728
下関2.9382.9090.930
若松3.1383.0480.845
芦屋3.5083.4470.896
福岡3.0893.2520.825
唐津3.4523.7200.868
大村2.0342.7380.891

 

相関というのは、ある値が高くなると、別の値も同時に高くなるし、ある値が低くなると、連動して別の値も低くなる、といった関係のことを言う。

身長と体重が相関関係の例といえるだろう。一般的に言って、身長が高いと、比例して体重も重くなるはずだ。

相関係数は−1.0〜1.0までの範囲で表され、絶対値が大きくなるほど、強い関係があると言える。

今回の結果から見ると、ほとんどの場で相関係数が0.7〜0.9もある。

大雑把に言って、波が高いのは7割がた風のせい、と言えるだろう。

波が立つから風が吹く、というのは物理的に考えられないので、風が吹くから波が立つ、というのが正しいだろう。

 

 

しかし、江戸川が風以外の影響を受けるのはわかるのだが、平和島も結構相関係数が低いのはなぜだろう。0.55以上あるので、全く影響を受けていないということはないが。

潮の影響を受けるならわかるが、干満差がある場は他にもあるし。周囲をマンションで囲まれているから風が遮られるのだろうか?

それと、江戸川の相関係数が低いのは、波の高さの測り方の大雑把さとも関係が多少あるだろう。

 

考察

 

今回は波の高さがレースに及ぼす影響を分析した。

しかし、競艇において、波の高さと風の強さは強い相関関係にあるため、単独で風の影響を検討するのは難しいということがわかった。

個人的な予想だと、波の影響の方が強い気がする。根拠は原チャリに乗っている時の感覚。風が強い時よりも、雪道を走っている時の方が怖い。

波の影響が強いのか、風の影響が強いのか、江戸川のみを検討すればわかるかもしれない。

どこかで江戸川だけは予想ロジックを変えなければ対応できないという話を聞いたことがある気がするが、今回のデータからも見て取れた。

江戸川をテーマとして、いつか、ちゃんと分析してみたい。

 

ところで、多摩川は本当に日本一の静水面なのだろうか?

静波まつりを問い詰めたい。

 

集計対象期間:2013年2月1日〜2016年2月29日

レース件数:160534レース ※不成立含む

 


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