前回、弱い選手がインに入ったレースで1頭の舟券を買い続けると、強い選手がインに入ったレースで1頭の舟券を買い続けた場合に比べて、回収率が低くなる、ということが分かった。
弱い選手がインに入ったレースで1頭の舟券を買い続ければ、的中率が低くなるのは当然だ。
しかし、当たりにくいのならば、配当が比例して高くなるので、回収率が変わることはないはずではないか?
それが成立しないということは、舟券を買うファンの見積もりと、実際の確率がズレているということだ。
というわけで、今回は弱いインの出目買いに関して分析してみたい。
分析方法
勝率が5点未満の選手を弱い選手、勝率が6点以上の選手を強い選手と分類する。
5点台の選手は数が多く、強いとも弱いとも言いづらいので、傾向がぼやけないように今回の分析から除外した。
弱い選手がインに入ったレースの件数は48890件、強い選手がインに入ったレースが65579件。
出目買い回収率
前回は三連単で分析したが、今回は二連単で比較してみよう。
弱いインのレースと、強いインのレースに分けて、それぞれ二連単で3年間同じ出目を買い続けた場合の回収率を計算した。
5点未満 | 6点以上 | |
---|---|---|
1-2 | 74.835 | 84.211 |
1-3 | 75.6 | 79.811 |
1-4 | 66.689 | 74.745 |
1-5 | 67.754 | 77.249 |
1-6 | 62.496 | 78.219 |
2-1 | 89.96 | 70.091 |
2-3 | 77.725 | 59.305 |
2-4 | 72.605 | 59.012 |
2-5 | 64.371 | 54.064 |
2-6 | 67.426 | 44.793 |
3-1 | 70.357 | 66.595 |
3-2 | 91.624 | 74.619 |
3-4 | 69.302 | 64.698 |
3-5 | 65.446 | 52.819 |
3-6 | 62.791 | 54.705 |
4-1 | 66.103 | 63.441 |
4-2 | 70.588 | 63.204 |
4-3 | 70.559 | 60.541 |
4-5 | 70.743 | 65.093 |
4-6 | 61.504 | 54.989 |
5-1 | 64.83 | 64.594 |
5-2 | 63.986 | 56.07 |
5-3 | 61.329 | 54.941 |
5-4 | 63.328 | 72.736 |
5-6 | 55.75 | 51.079 |
6-1 | 56.179 | 51.192 |
6-2 | 57.266 | 50.738 |
6-3 | 57.607 | 41.292 |
6-4 | 55.961 | 44.478 |
6-5 | 45.64 | 48.119 |
やはり、弱いインのレースでは、1頭のレースは強いインのレースに比べて回収率が低くなっている。代わりに、センターの回収率が高くなっている。
大体は三連単と同じような傾向と言えそうだ。
今回のデータで特に目を引くのが、弱いインの2−1、3−2だ。
特に、3−2は回収率が90%を超えている。控除率が75%なので、相当高いと言えるだろう。
出目買い的中率
次に、的中率を見てみよう。
二連単で同じ目を3年間買い続けた場合の的中率を表にまとめた。
5点未満 | 6点以上 | |
---|---|---|
1-2 | 8.024 | 21.167 |
1-3 | 6.668 | 16.106 |
1-4 | 4.989 | 12.968 |
1-5 | 3.189 | 7.655 |
1-6 | 2.512 | 5.207 |
2-1 | 7.715 | 5.625 |
2-3 | 6.533 | 1.712 |
2-4 | 5.048 | 1.482 |
2-5 | 3.291 | 0.993 |
2-6 | 2.688 | 0.676 |
3-1 | 4.516 | 4.254 |
3-2 | 5.116 | 1.639 |
3-4 | 4.271 | 1.699 |
3-5 | 2.786 | 1.154 |
3-6 | 2.311 | 0.836 |
4-1 | 3.547 | 3.612 |
4-2 | 3.700 | 1.450 |
4-3 | 3.240 | 1.289 |
4-5 | 3.078 | 1.595 |
4-6 | 2.176 | 1.008 |
5-1 | 1.845 | 1.998 |
5-2 | 1.974 | 0.764 |
5-3 | 1.604 | 0.697 |
5-4 | 1.718 | 0.947 |
5-6 | 1.303 | 0.615 |
6-1 | 1.385 | 1.081 |
6-2 | 1.538 | 0.511 |
6-3 | 1.254 | 0.407 |
6-4 | 1.174 | 0.461 |
6-5 | 0.808 | 0.393 |
5点未満の選手がインに入ると、1−2の的中率が8.02%。対して、6点以上の選手がインに入ると、21.16%。
2.5倍くらい違う。まあ、そんなものなのかな?
しかし、この結果でちょっとびっくりしたのが、弱いインだと1−2と2−1の的中率にほとんど差がないことだ。0.3%程度しか差がない。
対して、強いインのレースだと、1−2が21.1%、2−1が5.6%と、4倍の差が有る。
あと、強いインのレースだと、2〜6号艇が1着になった場合でも、1号艇が2着に残る確率が一番高い。4号艇が頭でも、2着は1号艇の確率が一番高いし、6号艇が頭でも、1号艇が2着の確率が一番高い。
しかし、弱い1号艇の場合、3号艇が頭に来た時は2号艇が2着になる確率の方が高いようだ。
考察
弱い選手がインに入った場合、1−2と2−1の的中率にほとんど差がない。
おそらく、この事実を多くの人が知らないのだろう。というか、自分も今回、初めて知った。
また、3−1の確率よりも3−2の確率の方が高いのも初めて知った。
多くの人は勝率5点未満の選手が1号艇の場合、1−2と2−1、どっちが出やすい? と聞かれれば、1−2だと答えるだだろう。
人々の見積もった確率と、実際の確率がずれているので、回収率が異なっているのだ。
2−1、3−2の出目回収率が高いのは、偶然ではない。
というわけで、勝率5点未満の選手がインに入った場合、2−1と3−2を買ってみてはどうだろうか?
集計対象期間:2013年2月1日〜2016年2月29日
レース件数:160534レース ※不成立含む