競艇は競馬に比べて売上額が圧倒的に小さいと言われている。
2014年度、競艇の1日の売上額平均は2億2千万円。対して同年の中央競馬は86億円と、桁が違う。ちなみに、地方競馬とはそこそこいい勝負だ。
売上額が低い競技の場合、下手に大きく券を買うと、オッズが変動してしまう可能性がある。試しに百万円を複勝にブチ込んでみよう。まず間違いなく元返しになるだろう。中央競馬なら、おそらくは元返しにはならない。
では、SG優勝戦の三連単に100万円ならどうなるだろう?
具体的に、どれくらいオッズが下がってしまうのか?
今回は購入額とオッズの変動に関して分析してみた。
オッズの計算式
オッズは一体、どうやって計算するのだろうか?
ご存知の方も多いとは思うが、一応確認しておこう。
複勝とか拡連複とか、当たりが複数出るものについては多少ややこしくなるが、三連単、三連複などの当たりが1つの賭け式は単純だ。
(外れ票数+当たり票数)×0.75÷当たり票数
該当レースで売れた全舟券購入金額に25%のテラ銭を引き、残りを当たった票数で分け合う形だ。
100票売れた中で、当たり券の得票数が20票だとすると、払い戻すべき75票を20票で割るので、オッズは3.75倍になる。
※競艇の場合は1票100円
では、上記例で500円(5票)買った場合はどうなるだろう?
105票の売上票数から25%を引いて78.75票が払い戻しの対象。それを25票で分け合うので、3.15倍になる。
買う前より0.6倍下がったが、元返しまでにはまだまだ余裕がある。
では試しに、上記の例に100万円ブチ込んでみよう。
100万円なので、1万票だ。
売れた票数は10100票。25%を引いて7575票が払い戻しの対象。で、当たりの対象となるのが10020票なので、オッズは0.755倍になる。
オッズが1倍を切った場合は、1倍の元返し。
余裕で元返しになった。
外れる可能性はあるのに、当たっても元返し。どう考えても損な賭けになってしまった。
売上規模
オッズの変動には売上の規模が大きく影響することが、ご理解いただけただろうか?
冒頭にもちょっと書いたが、競艇の1日の売上平均は2億2千万。1日に12レース行われるので、12で割って1レースにつき1千800万くらいが平均だ。
ちなみに、場によって結構違う。
それと、賭け式のシェアの問題もある。
おなじみ、宮島競艇フリークスさんの情報だと、2013年度のシェアは下表の通りだそうだ。
二連単 | 二連複 | 三連単 | 三連複 |
---|---|---|---|
7.1% | 1.0% | 88.9% | 2.5% |
拡連複 | 単勝 | 複勝 | |
---|---|---|---|
0.31% | 0.046% | 0.038% |
9割がた三連単で占められている。複勝や拡連複のシェアは微々たるものだ。
場別に2・3連単、3連複の1レースの売上平均額を集計した。売上データは全国モーターボート施行者協議会の平成26年度のデータを使用した。場別の賭け式シェアが見当たらなかったため、宮島競艇フリークスさんの割合を一様に適応した。
場 | 三連単売上額 | 三連複売上額 | 二連単売上額 |
---|---|---|---|
桐生 | 26334232 | 2100821 | 8876708 |
戸田 | 20330307 | 1621856 | 6852913 |
江戸川 | 10903805 | 869854 | 3675440 |
平和島 | 21476916 | 1713327 | 7239410 |
多摩川 | 12802880 | 1021353 | 4315578 |
浜名湖 | 14233548 | 1135485 | 4797825 |
蒲郡 | 27942002 | 2229081 | 9418653 |
常滑 | 12537497 | 1000182 | 4226123 |
津 | 8574861 | 684062 | 2890403 |
三国 | 10041892 | 801095 | 3384908 |
びわこ | 12797355 | 1020913 | 4313715 |
住之江 | 29456019 | 2349862 | 9928995 |
尼崎 | 18255139 | 1456309 | 6153418 |
鳴門 | 0 | 0 | 0 |
丸亀 | 28589047 | 2280699 | 9636758 |
児島 | 11462659 | 914437 | 3863818 |
宮島 | 13622822 | 1086764 | 4591963 |
徳山 | 10407334 | 830248 | 3508090 |
下関 | 10512020 | 838599 | 3543378 |
若松 | 29262392 | 2334416 | 9863728 |
芦屋 | 12881712 | 1027642 | 4342150 |
福岡 | 15152495 | 1208795 | 5107583 |
唐津 | 12307699 | 981850 | 4148663 |
大村 | 15207801 | 1213207 | 5126225 |
※鳴門競艇場は改装工事のために開催なし
3連単で1千万〜3千万くらい。3連複で70万〜230万くらい。2連単は290万〜1千万くらいの範囲でバラついている、と予想される。
(津競艇場は売上が低いけど、大丈夫だろうか?)
一般戦に100万ブチ込み
では、3連単の売上が2500万円という前提でシミュレーションしてみよう。
すでに売れている票数が25万票とする。
・本命狙いの場合
オッズ 1.99倍(すでに投票されている票数 9.4万票)
そこに100万円分、買うとする。
新しい総票数は26万票、当たり票数が10.4万票になる。
26万×0.75で、払い戻し票数は19.5万票。それを10.4万票で割るので、オッズは1.87倍に下がる。
その差、約0.12倍。
払い戻し金額にすると、12万円分下がったことになる。
・穴狙いの場合
オッズ 100倍(すでに投票されている票数 1875票)
そこに100万買うとする。
新しい総票数は26万票、当たり票数が11875票になる。
26万×0.75で、払い戻し票数は19.5万票。それを11875票で割るので、オッズは16.42倍まで下がる。
SG優勝戦に100万ブチ込み
じゃあ、SG優勝戦だと、どうだろう?
25億円が売上だとすると、100万なんて微々たるものだ。グランプリ決定戦の売上はそれくらいらしい。
では、同様に計算してみよう。
総票数は250万票。
・本命狙いの場合
オッズ 2倍(すでに投票されている票数 93.7万票)
そこに100万円分、買うとする。
新しい総票数は251万票、当たり票数が188.25万票になる。
2501万×0.75で、払い戻し票数は1875.75万票。それを94.7万票で割るので、オッズは1.98倍に下がる。
その差、約0.02倍。
・穴狙いの場合
オッズ 100倍(すでに投票されている票数 18.75万票)
そこに100万買うとする。
新しい総票数は2501万票、当たり票数が19.75万票になる。
2501万×0.75で、払い戻し票数は1875.75万票。それを19.75万票で割るので、オッズは94.97倍に下がる。
その差、約5倍。
考察
個人的には、競艇の1レースに100万円も賭けることは、今後ともないと思う。しかも、3連単1点買いは絶対にありえないだろう。
しかし、100万円を打ち込むと、どれくらいオッズが変動するのかは、一度計算してみたかった。
本命狙いなら、割と100万円買っても大きくは変動しないな、というのが感想だ(穴に100万突っ込む人はそうそういないだろうけど)。
2連単でも、10万円くらいならいけそうだ。
めちゃめちゃ参考になりました!
コメントありがとうございます!
参考になったなら幸いです。
大変勉強になりました、ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
参考になったのなら幸いです!
時間が経ってますが初めて拝見しました。
万舟とった時とか1万円買える人間になれたらな・・などと夢を見てしまいますので、オッズの変動は私も気になっていたので面白く見れました!
コメントありがとうございます!
参考になったなら幸いです。
私もいつか、窓口でしか払い戻してもらえないような、帯付きの配当金を受け取ってみたいです(笑)
コメントありがとうございました!