以前、選手の体重と展示タイムに関して分析したが、割と興味を持ってくれる人が多いようなので、今回は別の角度から分析してみたいと思う。
「体重が1Kg増えると、展示タイムは0.003遅くなる」というのが前回の解析結果だった。
体重が重ければ、不利なのは間違いない。
では、実際のレース結果には、どれくらい影響を及ぼしているのだろうか?
統計的に検証してみよう。
体重別全国勝率
体重別に選手の全国勝率を計算してみた。
3年間の出走回数が300走以上の全選手の3年間の体重、全国勝率を平均。体重の小数点は四捨五入で集計した。
※50Kg未満は体重調整があったりなかったりするので省略
60Kg以上はサンプル数が少ないので省略
体重 | 全国勝率平均 | 体重 | 全国勝率平均 | |
---|---|---|---|---|
50 | 5.455 | 56 | 4.820 | |
51 | 5.357 | 57 | 4.639 | |
52 | 5.240 | 58 | 4.534 | |
53 | 5.307 | 59 | 4.748 | |
54 | 4.981 | 60 | 4.517 | |
55 | 4.903 |
はっきりと体重による影響が見て取れる。
50Kgジャストの選手の平均勝率が5.4付近であるのに対し、60Kgの選手の平均勝率は4.5付近。
大雑把に言うと、1Kgで勝率が0.1点落ちる計算になる。
体重別平均スタートタイミング
それでは、体重はSTにも影響を及ぼすのだろうか?
全国勝率と同様に、STも分析してみた。
※50Kg未満は体重調整があったりなかったりするので省略
60Kg以上はサンプル数が少ないので省略
体重 | 平均ST | 体重 | 平均ST | |
---|---|---|---|---|
50 | 0.172 | 56 | 0.180 | |
51 | 0.177 | 57 | 0.179 | |
52 | 0.173 | 58 | 0.190 | |
53 | 0.174 | 59 | 0.177 | |
54 | 0.175 | 60 | 0.180 | |
55 | 0.180 |
こちらもやはり、影響がありそうだ。
50Kgでは0.17付近であるのが、60Kgでは0.18付近。
0.01の差が出ている。
考察
体重が重いため、機力的な不利が出る。機力の不利が成績に現れる。
これは納得できる結論だ。
しかし、平均STに関してはどうなんだろう?
機力がそんなに関係あるのだろうか。
機力だけではなく、選手のレースに対する意識みたいなものも関係しているのかも知れない。
50Kgギリギリまで体重を絞っている選手の方が、勝ちにかける意気込みが強そうだ。
努力の差である可能性もある、とお伝えしておきます。
集計期間:2012年10月1日〜2015年10月30日
レース件数:161695レース ※不成立含む